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今日の授業は「インフレとデフレ」です!ニュースで「値上げ」という言葉をよく聞きませんか?あれは実は、インフレという現象の一部です。お金の価値がどう変わっていくのか、今日はいっしょに見ていきましょう。
インフレってなに?デフレってなに?

インフレ(インフレーション)とは、物の値段が全体的に上がっていくことです。反対に、物の値段が下がっていくことをデフレ(デフレーション)と呼びます。
去年100円で買えたお菓子が、今年は110円になっていたとしたら、それはインフレが起きている証拠です。同じ100円玉でも、買えるものが少なくなってしまうわけです。
ここで大事なのは、物の値段が上がるということは、お金の価値が下がるということだという点です。同じ「1000円」でも、去年の1000円と今年の1000円では、買える量が違います。ここだけ押さえておけば大丈夫です。
2つのちがいを表にまとめます。
| 見るところ | インフレ(物価が上がる) | デフレ(物価が下がる) |
| 物の値段 | 上がっていく | 下がっていく |
| お金の価値 | 下がる(買える量が減る) | 上がる(買える量が増える) |
| お給料 | あとから上がりやすい(時間差が出る) | 上がりにくい・下がることもある |
| 預金 | 金利が物価上昇に届かないと目減りしやすい | 買える量は保ちやすい |
| 住宅ローンなどの借金 | 実質的な重さは軽くなりやすい | 実質的な重さは重くなりやすい |
| 景気 | ゆるやかならプラス。急すぎると負担 | 売上・賃金が伸びにくくなりやすい |
どちらが良い・悪いという単純な話ではありません。大事なのは「スピード」です。
今の日本の物価はどれくらい?
総務省統計局の発表によると、2026年6月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合指数が113.1で、前年同月比1.6%の上昇でした。前月の1.4%から少し上昇率が広がっています。日銀が目標とする2%を下回る状態は5か月続いています。
消費者物価指数(CPI)は、食べ物・電気代・サービスなど家計が買うものの値段をひとまとめにして測ったものです。「113.1」は、2020年の値段を100としたときの水準を表します。
物価まわりの数字を並べてみましょう。
| 項目 | 数値 | 時点・出典 |
| 消費者物価指数(生鮮食品を除く総合) | 113.1(前年同月比 +1.6%) | 2026年6月・総務省 |
| 日本銀行が目指す物価上昇率 | 年2% | 「物価安定の目標」(日本銀行) |
| 政策金利(無担保コールレート翌日物) | 1.0%程度 | 2026年7月31日の決定会合で据え置き |
| 大手銀行の普通預金金利 | 年0.4% | 2026年8月3日から(三菱UFJ・三井住友・みずほ) |
並べてみると、物価の上がり方(1.6%)に対して、普通預金の金利(0.4%)はまだ小さいことがわかります。この差が、あとで出てくる「実質的な目減り」の正体です。
なぜ物の値段は動くの?
値段が動く理由は1つではありません。代表的なものを整理します。
| きっかけ | どうして値段が動くのか | 身近な例 |
| 原材料の値上がり | 仕入れ値の上昇が売値に反映される | 小麦が高くなりパンが値上がり |
| 人手不足・賃上げ | 人件費の増加が価格に乗る | 外食や宅配の料金が上がる |
| 円安 | 輸入で払う円が増える | ガソリン・輸入食品が高くなる |
| 需要が増える | ほしい人が多いと高くても売れる | 人気の宿の連休料金が上がる |
| 景気が冷える | 売れないので値下げして売ろうとする | セールや値引きが増える |
円安の話は、為替のしくみを知ると理解しやすくなります(円高・円安ってどういうこと?1ドル160円時代の為替のきほん)。
物価と金利は連動します。物価が上がりすぎそうなときは、日本銀行が金利を上げてブレーキをかけ、景気が冷えているときは下げます。日銀の目標は「年2%くらいのゆるやかな上昇」です。
たとえば、こんな話
あなたが毎月1000円のおこづかいをもらっているとします。去年は1個100円のアイスを10個買えました。では、物価が上がるとどうなるでしょうか。
| 1年間の物価上昇率 | アイス1個の値段 | 1000円で買える個数 |
| 0%(変わらない) | 100円 | 10個 |
| 1.6%(今の日本くらい) | 約101.6円 | 9個(あと少しで10個) |
| 5% | 105円 | 9個 |
| 25% | 125円 | 8個 |
試算条件:おこづかい月1000円が変わらないものとし、アイス1個100円が表の率だけ値上がりした場合。端数は切り捨て。
もらえる金額が同じでも、買える量は減ります。逆にいえば、おこづかいやお給料が物価と同じだけ増えれば、生活のきびしさは変わりません。「賃上げが物価に追いつくか」が話題になるのは、このためです。
デフレなら安く買えてうれしい?
値段が下がるなら得な気がしますよね。ここ、迷いやすいところです。
ところが、デフレが長く続くと、次のような流れが起きやすくなります。
- 物が売れないので、お店や会社が値下げする
- 売上が減るので、お給料が上がりにくくなる(下がることもある)
- 収入が増えないので、みんなますますお金を使わなくなる
- さらに物が売れなくなる……
この悪循環は「デフレスパイラル」と呼ばれます。日本は1990年代の終わりごろから、長く物価が上がりにくい時期を経験しました。安く買えることと、家計が楽になることは、必ずしもイコールではないのです。
インフレとどう付き合う?
ここからは家計の話です。あわてなくて大丈夫ですが、知っておくと判断が変わります。金利が物価上昇率より低いと、預けたままのお金は実質的に目減りします。100万円を1年間置いたケースで見てみましょう。
| 項目 | 金額 |
| 1年後の預金残高(年0.4%・税金を考えない場合) | 1,004,000円 |
| 1年前に100万円で買えたものを買うのに必要な金額(物価+1.6%) | 1,016,000円 |
| 差し引き | 約12,000円分、買える量が減る |
試算条件:金利は年0.4%(2026年8月3日からの大手銀行の水準)、物価上昇率は2026年6月の1.6%が1年続いたと仮定。利息への税金(20.315%)は考慮せず。実際の金利・物価は変動します。
1万2000円は小さく見えますが、これが10年続けば差は積み上がります。だからこそ「お金を貯める」だけでなく「お金を育てる」という考え方が注目されています(複利ってなに?お金が雪だるまのように増える魔法をやさしく解説)。
とはいえ、全部を投資に回す必要はありません。生活費の数か月分は、すぐ引き出せる預金で持っておくのが基本です。預金の金利も上がってきています(日銀の利上げで住宅ローンと預金はどう変わる?)。焦って結論を出さなくて大丈夫です。
家計でできることを、始めやすい順に並べます。上から1つずつで十分です。
| できること | ねらい | 気をつける点 |
| 固定費(通信・保険・サブスク)の見直し | 毎月の支出をまとめて下げる | 一度やれば効果が続く。最初に手をつけたい |
| 預け先の金利を比べる | 同じ預金でも利息が変わる | 金利は変更されることがある |
| 収入を増やす(昇給・副収入) | 物価上昇に収入で追いつく | 時間がかかる。無理のない範囲で |
| 少額の積み立てで投資を学ぶ | 時間をかけて増える力を使う | 元本割れのリスクがある。生活費とは分ける |
よくある質問
Q. インフレとデフレ、どちらが良いのですか?
A. 一概には言えません。日本銀行は年2%くらいのゆるやかな物価上昇を目標にしています。急激なインフレは家計の負担が大きく、デフレが続くと売上や賃金が上がりにくくなるためです。
Q. 今の日本はインフレですか?
A. 物価は上がっています。2026年6月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で前年同月比1.6%の上昇でした。急激ではありませんが、ゆるやかな値上がりが続いている状況です。
Q. 物価が上がると、預金は損をするのですか?
A. 金利が物価上昇率より低い場合、預金で買えるものは実質的に減ります。大手銀行の普通預金金利は2026年8月3日から年0.4%になりましたが、物価上昇率1.6%には届いていません。ただし、すぐ使えるお金を預金で持っておくこと自体は大切です。
Q. 子どもにはどう説明すればいいですか?
A. おこづかいで例えるのがわかりやすいです。「毎月1000円のおこづかいのままで、アイスが100円から125円になったら、10個買えたのが8個になるね」と話すと、お金の価値が下がる意味が伝わります。
参考:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」(全国 2026年〈令和8年〉6月分)/日本銀行「2%の『物価安定の目標』」/日本銀行「金融政策決定会合の結果」(2026年7月31日)/大手銀行の普通預金金利は各行の2026年6月の公表内容による
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今日のまとめ
- インフレ=物の値段が上がりお金の価値が下がること、デフレ=その反対
- 2026年6月の物価(生鮮食品を除く総合)は前年より1.6%上昇。普通預金の金利0.4%より高く、預けたままだと実質的に目減りしやすい
- もらえるお金が同じなら、物価が上がると買える量は減る。まずは固定費の見直しから始めれば大丈夫
今日の授業はここまで!次回もお楽しみに。


