今日の授業は「フィッシング詐欺」です! 宅配便や銀行、クレジットカード会社を名乗るSMS(ショートメッセージ)が届いたことはありませんか。「本物にそっくりな偽サイト」に誘導し、ID・パスワードやカード番号を盗む手口が、今も後を絶ちません。今日は本物と偽物の見分け方、引っかかったときの対処法をやさしく解説します。
フィッシング詐欺(スミッシング)ってなに?

フィッシング詐欺とは、実在する企業や公的機関になりすましたメールやSMSで偽サイトに誘導し、個人情報を盗み取る手口です。SMSを使うタイプは「スミッシング(SMS+フィッシング)」と呼ばれます。警察庁によると、携帯電話会社・宅配業者・銀行をかたって本物そっくりの偽サイトに誘導する事例が多数確認されています(注1)。ここだけ押さえておけば大丈夫です。「メールより電話番号のSMSのほうが信用してしまう」という心理につけこんだ手口だと知っておきましょう。
実際に警察庁へ寄せられた相談には、こんな例があります(注1)。
- クレジットカード会社を名乗るSMSのURLからカード情報を入力し、身に覚えのない支払いが発生した
- 通販サイトから「不正ログインでアカウントをロックした」というSMSが届き、慌ててID・パスワードを入力した
- 宅配業者を名乗るSMSのURLからアプリをインストールし、知らない間に大量のSMSが送信された
いま増えている手口の特徴
フィッシング対策協議会がまとめた2026年6月の月次報告(注2)によると、同月に寄せられたフィッシング報告件数は72,370件でした。前月より5万件以上減ったとはいえ、今も毎月数万件規模で報告が続いています。かたられたブランドの上位はAmazon(約24.0%)、VISA(約11.8%)、Apple(約11.6%)で、上位5ブランドだけで報告全体の約55.0%を占めます。意外に思うかもしれませんが、名前を騙られるのは銀行だけではなく、通販・カード・スマホ関連のサービスが中心なのです。
| かたられるブランド | 2026年6月の報告割合 |
|---|---|
| Amazon | 約24.0% |
| VISA | 約11.8% |
| Apple | 約11.6% |
| 上記に三井住友カード・ドコモを加えた上位5ブランド合計 | 約55.0% |
参考:フィッシング対策協議会「2026/06 フィッシング報告状況」/警察庁「フィッシング対策」
同報告では、2026年4月以降「偽の請求メールからキャッシュレス決済の請求画面に誘導し、送金させる」手口が急増したとも指摘されています(注2)。ここ、迷いやすいところです。メールやSMSのリンクから請求画面や支払い画面に飛んだときは、いったん立ち止まって支払い先の詳細を確認する習慣をつけましょう。
本物と偽物、どこで見分ける?
結論から言うと、見た目だけで100%見分けるのは難しいです。送信元の名前やアドレスは偽装が容易だからです(注1)。あわてなくて大丈夫です。次のポイントを意識すれば、被害の多くは防げます。
- リンクは踏まずに検索する:SMS・メール内のURLを直接タップせず、公式サイトはあらかじめ「お気に入り」に登録しておくか、公式アプリから確認する
- 「焦らせる文面」を疑う:「不正アクセスを検知しました」「今すぐログインしないとロックされます」のように急かす文面は要注意(注1)
- 暗証番号・ワンタイムパスワードは絶対に入力しない:金融機関がID・パスワードをメールやSMSで問い合わせることはありません(注1)
- 支払い画面に飛んだら一度止まる:キャッシュレス決済の請求リンクから誘導された場合は、支払いを中断して内容を確認する(注2)
- パスワードの使い回しをやめる:1つのサービスで情報が漏れても、他のサービスへの被害拡大を防げます(注1)
たとえば、友だちにお金を貸すとき「電話番号だけ聞いた見知らぬ人」からいきなり「今すぐ振り込んで」と言われたら、誰でも身元を確認しますよね。フィッシングSMSも同じで、「本当にその会社からの連絡か」を、SMSの中ではなく外(公式サイトや公式アプリ)で確認する。これが一番の防御になります。
もし引っかかってしまったら
入力してしまっても、慌てず順番に対応すれば被害を最小限にできます。
- パスワードをすぐ変更する:入力してしまったID・パスワードを使っている全てのサービスで、速やかに変更する(注1)
- サービス提供会社に相談する:不正送金は金融機関、クレジットカードの不正利用はカード会社に相談窓口や補償制度がある(注1)
- 警察に通報・相談する:フィッシングサイトを見つけたら「フィッシング110番」へ、被害に遭った場合は最寄りの警察署やサイバー事案の相談窓口へ連絡する(注1)
むずかしいことばのコーナー
- スミッシング:SMS(ショートメッセージ)を使ったフィッシング詐欺のこと
- ワンタイムパスワード:一度しか使えない、有効期限の短いパスワードのこと
- 送信ドメイン認証:メールの送信元が本物かどうかを技術的に確認するしくみのこと
あわせて読みたい
注1:警察庁「フィッシング対策」(npa.go.jp)
注2:フィッシング対策協議会「2026/06 フィッシング報告状況」(antiphishing.jp)
今日のまとめ
- SMS・メールのリンクは踏まず、公式サイトやアプリから確認する
- 「焦らせる文面」「暗証番号の入力要求」は詐欺のサイン
- 引っかかったら、パスワード変更→サービス提供会社への相談→警察への通報の順で対応する
今日の授業はここまで! 次回もお楽しみに。


