今日の授業は「106万円の壁」です!パートで働く人の間でよく聞くこの言葉が、これから無くなる方向で動いています。「もっと働くと損をする」と気にしていた人には見逃せない話です。今日は何がどう変わるのか、時期はいつごろなのかを一緒に見ていきましょう。
「106万円の壁」ってそもそも何?

「106万円の壁」とは、パート・アルバイトで働く人が、年収106万円(月収8.8万円)を超えると、勤め先の社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する義務が生まれる仕組みのことです。社会保険に入ると保険料が給料から天引きされるため、手取りが減ってしまいます。そのため「壁を超えないように」と働く時間を調整する人が多くいました。
この壁が、2025年6月に成立した年金制度改正法によってなくなることが決まりました。ここだけ押さえておけば大丈夫です。ポイントは「収入の壁」が「時間の壁」に置き換わる、ということです。ただし撤廃の時期はまだ日付が決まっていません。厚生労働省は「法律の公布(2025年6月20日)から3年以内で、全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断する」と説明しています。
撤廃されると何が変わる?
賃金要件が撤廃されると、月収8.8万円(年収106万円)という条件がなくなります。かわりに社会保険への加入は、次の条件で決まります。
| 条件 | 賃金要件の撤廃後 |
|---|---|
| 労働時間 | 週20時間以上(変更なし) |
| 賃金要件(月収8.8万円) | 撤廃 |
| 雇用見込み | 2か月を超える見込み(変更なし) |
| 学生かどうか | 学生は対象外(変更なし) |
| 勤め先の企業規模 | 従業員51人以上(別途、段階的に引き下げ) |
参考:厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」(年金制度改正法・2025年6月13日成立、6月20日公布)
つまり撤廃後は、週20時間以上働いていれば、給料の金額に関係なく社会保険に入ることになる人が増えます。意外に思うかもしれませんが、これまで「106万円を超えないよう時間を調整」してきた人ほど、影響が大きい改正です。
たとえば、時給1,200円で週18時間働いていた人が、契約を変えて週22時間にしたとします。今までは年収106万円を超えなければ社会保険は関係ありませんでしたが、撤廃後は週20時間以上という時点で加入対象になる可能性があります。なお、残業などで一時的に週20時間を超えただけでは加入対象にはなりません。
企業規模の要件も今後なくなっていく
社会保険に加入する条件のもう一つに「勤め先の従業員数」があります。今は51人以上の企業で働く人が対象ですが、これも段階的に広がっていきます。あわてなくて大丈夫です。時期を整理すると次のとおりです。
- 現在:従業員51人以上の企業が対象
- 2027年10月以降:36人以上→21人以上→11人以上と段階的に引き下げ
- 2035年10月:企業規模を問わず、すべての企業が対象に
最終的には、会社の大きさに関係なく、週20時間以上働く人はほぼ社会保険の対象になる方向に進んでいきます。
社会保険に入ると何が変わる?
社会保険に加入すると、次の変化があります。
- 給料から厚生年金・健康保険の保険料が天引きされ、手取りは一時的に減る
- 将来もらえる年金(厚生年金)が上乗せされる
- 病気やケガで働けないときの傷病手当金や、出産手当金の対象になる
「手取りが減る」というと損に感じるかもしれませんが、将来の年金や、いざというときの保障が手に入るという面もあります。どちらが良いかは家庭の状況によって違うため、迷いやすいところです。配偶者の扶養に入っている人は、扶養控除や配偶者手当への影響もあわせて勤め先や年金事務所に確認しておくと安心です。
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今日のまとめ
- 「106万円の壁(賃金要件)」は撤廃が決まっているが、時期は未定(公布から3年以内・全国の最低賃金1,016円以上を見極めて判断)
- 勤め先の企業規模要件は現在51人以上。2027年10月から段階的に引き下げられ、2035年10月に撤廃される
- 社会保険に入ると手取りは一時的に減るが、将来の年金や保障が手厚くなる面もある
今日の授業はここまで!次回もお楽しみに。


