今日の授業は「お札(さつ)はどこで作られるの?」です!みなさんが毎日使っているお金。でも、お札や硬貨(こうか)がどこで作られているか、知っていますか?実は、作る場所と、世の中に送り出す人は別なんです。今日はその不思議(ふしぎ)な仕組みを、親子で一緒に学んでいきましょう。
お札を作っているのは「国立印刷局」

お札の正式な名前は「日本銀行券(にほんぎんこうけん)」といいます。でも、実際に紙に印刷しているのは日本銀行ではありません。
お札を作っているのは「国立印刷局(こくりついんさつきょく)」という国の機関です。財務大臣(ざいむだいじん)の命令にしたがって、日本銀行からの注文分だけを印刷しています。今は1年間でおよそ30億枚も作られているそうです。お札の厚さは0.1mmほどなので、30億枚を積み重ねると富士山(ふじさん)の高さの80倍くらいになる計算です。すごい量ですね。
お札の表面をよく見ると、下のほうに小さな文字があります。これは「製造銘版(せいぞうめいはん)」といって、国立印刷局が作った証(あかし)なんです。今度お札を手にしたら、探してみてください。
「作る人」と「出す人」がなぜ分かれているのか、不思議に思う人もいるかもしれません。これは、お金の価値(かち)を守るための仕組みでもあります。日本銀行が「いくら発行するか」をしっかり管理することで、お金が世の中に出回りすぎたり、逆に足りなくなったりしないようにしているのです。役割を分けることで、それぞれの仕事に集中できるという良さもあります。
お札を「発行」しているのは日本銀行
ここが今日いちばん大事なポイントです。お札を作るのは国立印刷局ですが、お札を世の中に送り出すこと(これを「発行(はっこう)」といいます)は、日本銀行の仕事です。
国立印刷局が作ったお札は、いったん日本銀行に納品されます。そこから銀行を通じて、わたしたちの手に届くのです。作る人と出す人が分かれているのは、少し意外に思うかもしれません。
硬貨は「造幣局」が作って、政府が発行する
では、10円玉や100円玉などの硬貨はどうでしょうか。実は硬貨はお札とは仕組みが違います。
硬貨を作っているのは「造幣局(ぞうへいきょく)」という機関です。そして硬貨を発行しているのは、日本銀行ではなく政府(せいふ)です。造幣局が作った硬貨は日本銀行に交付(こうふ)され、そこから世の中に出ていきます。
つまり、お札は「日本銀行が発行」、硬貨は「政府が発行」という違いがあるのです。あわてなくて大丈夫です。表にまとめると分かりやすくなりますよ。
| 種類 | 作る場所 | 発行する(世の中に出す)人 |
|---|---|---|
| お札(紙のお金) | 国立印刷局 | 日本銀行 |
| 硬貨(金属のお金) | 造幣局 | 政府 |
参考:日本銀行「銀行券・貨幣の発行・管理の概要」(boj.or.jp)、国立印刷局「お札の特長」(npb.go.jp)
たとえば、学校の授業で使うプリントを想像してみてください。印刷する人(先生)と、みんなに配る人(学級委員)が別々でも、ちゃんとプリントは行き渡りますよね。お金の仕組みも、それに似ています。
新しいお札には、すごい工夫がある
2024年7月3日には、20年ぶりに新しいお札が発行されました。1万円札は渋沢栄一(しぶさわえいいち)さん、5千円札は津田梅子(つだうめこ)さん、千円札は北里柴三郎(きたさとしばさぶろう)さんの顔になっています。
新しいお札には「ホログラム」という技術が使われています。お札をかたむけると、肖像(しょうぞう)が立体的に回転して見えるんです。お札にこの技術が使われるのは、世界で初めてなんですよ。にせもの(偽造・ぎぞう)を防ぐための工夫です。ここだけ押さえておけば大丈夫です。
ちなみに、お札にも寿命(じゅみょう)があります。1万円札は4〜5年くらい、5千円札と千円札はもっと使われる回数が多いので1〜2年くらいで、新しいものと交換されているそうです。
使われたお札はどうなるの?
お財布から出ていったお札は、そのまま消えてしまうわけではありません。お店や会社で使われたあと、多くは銀行に預けられます。
銀行に集まったお札は、また日本銀行に持ち込まれます。日本銀行では、そのお札が本物かどうか、そしてまだきれいに使えるかどうかを、ひとつひとつ確認しています。この作業を「鑑査(かんさ)」といいます。
鑑査で「まだ使える」と判断されたお札は、また銀行を通じて世の中に戻っていきます。逆に、汚れたり破れたりして使えなくなったお札は、細かく切られて処分されます。お札は、こうして何度も旅をくり返しているんですね。
あわせて読みたい
むずかしいことばのコーナー
- 発行(はっこう):お金を作って、世の中に送り出すこと
- 国立印刷局(こくりついんさつきょく):お札を印刷している国の機関
- 造幣局(ぞうへいきょく):硬貨を作っている国の機関
- 偽造(ぎぞう):本物そっくりのにせものを作ること
今日のまとめ
- お札は国立印刷局が作り、日本銀行が発行する
- 硬貨は造幣局が作り、政府が発行する
- 新しいお札にはホログラムなど、にせもの防止の工夫がたくさんある
今日の授業はここまで!次回もお楽しみに。
よくある質問
Q1. お札はどうして日本銀行が発行するのですか?
日本銀行法という法律で、日本銀行だけがお札(銀行券)を発行できると決まっているからです。国立印刷局が作ったお札を、日本銀行が受け取ることで発行されます。
Q2. お札はなぜ交換されるのですか?
お札は人の手で何度も使われるうちに、だんだん傷んでいきます。日本銀行がお札の状態をチェックして、使えなくなったものは新しいお札と交換しています。


