今日の授業は「2026年9月の値上げ」です。帝国データバンクの調査によると、9月に値上がりする食品は4,531品目。これは2026年でいちばん多い月で、単月で4千品目を超えるのは2023年10月以来の水準です。なぜこんなに集中するのか、家計にどう備えればいいのか、順番に見ていきましょう。
9月は4,531品目、年内でいちばん値上げが多い月に

帝国データバンクが2026年7月31日に公表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2026年9月の飲食料品の値上げは4,531品目にのぼる見通しです。実はこの数字、6月末の集計では3,029品目とされていました。各社の発表が進んだことで、1カ月のあいだに1,502品目も積み上がったのです。
この調査は「各社が発表した分」をそのつど積み上げていく方式です。だから公表のたびに数字が増えます。9月に値上げする商品が急に増えたわけではなく、6月の時点でまだ発表されていなかった分が、7月中に次々と明らかになった、という順番です。
単月で4千品目を超えるのは、2023年10月の4,758品目以来。3年ぶりの高い水準ということになります。あわてなくて大丈夫ですが、家計に効いてくる規模だということは知っておきたいところです。
| 時期 | 値上げ品目数 | 備考 |
|---|---|---|
| 2026年7月 | 2,664品目 | パンや即席めんが中心 |
| 2026年8月 | 2,311品目 | 前年同月の1,262品目から約8割増 |
| 2026年9月 | 4,531品目 | 2026年内で最多 |
| 2026年10月 | 2,720品目 | この時点での判明分 |
参考:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)/関連報道:日本経済新聞
なぜ9月に集中する?理由は4つに整理できます
値上げの理由は、企業が複数回答する形で集計されています。いちばん多いのは原材料高で90.9%。次いで物流費が65.8%、包装や容器などの資材が64.0%、そして中東情勢が27.8%となっています。合計が100%を超えているのは、1社が「原材料も物流費も上がった」のように複数の理由を挙げているためです。
ここで注目したいのは、4つのうち中東情勢だけが前回(24.7%)より上がっていること。ホルムズ海峡付近の緊張が続いたことで原油の輸送に影響が出て、原油から作られるナフサ(プラスチック製品のもとになる石油製品)の値段が上がり、それが食品トレーやフィルムといった包装資材のコストに跳ね返っている、という流れです。
たとえば、常温で保存できる食品なら「原材料+包装」だけを気にすればすみます。ところが冷凍食品は、これに「作ってから食卓に届くまでずっと冷やし続ける費用」が加わります。工場の冷凍設備、冷凍車、店頭の冷凍ケース。この鎖のどこにも電気代や燃料費がかかるので、コストが3方向から同時に押される構造になっているのです。9月は主要な冷食メーカー数社がそろって値上げの動きを見せているとも報じられています。
分野別に見ると、何が上がっているの?
2026年の値上げ品目数を分野別(1月から11月までの判明分・累計18,347品目)に見ると、次のようになります。
| 分野 | 品目数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 加工食品 | 6,667品目 | 36.3% |
| 調味料 | 5,197品目 | 28.3% |
| 酒類・飲料 | 3,274品目 | 17.8% |
| 菓子 | 1,219品目 | 6.6% |
参考:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)/関連報道:日本経済新聞。構成比は累計18,347品目に対する比率
この4分野だけで、値上げ全体の約9割を占めています。加工食品には冷凍食品やパック米飯、缶詰などが含まれ、前年の通年実績を約4割も上回るペースです。ここ、意外に思うかもしれませんが、値上げは「特別な高級品」ではなく、毎日の食卓にのぼる身近な品目ほど動いている、というのがポイントです。
値段が同じでも中身が減る「実質値上げ」にも注意
この調査には、価格を据え置いたまま中身の量を減らす「実質値上げ」も含まれています。値札は変わっていないのに、パッケージを開けると内容量が減っている、というケースです。気になる商品は、パッケージの内容量表示を以前と見比べてみると、変化に気づけることがあります。
また、8月の値上げでは1回あたりの平均値上げ率が月平均15%だったと報告されています。7月の平均11%と比べると、率としても上がってきている状況です。9月分の平均値上げ率はこの記事の時点ではまだ公表されていません。断定はできませんが、9月も同じくらいか、それ以上の水準になっても不思議ではないでしょう。
家計はどう備えればいい?
品目数の多さは分かっても、自分の家計にいくら効くのかは見えにくいものです。世帯あたりの負担増を示す数字は今回の調査には含まれていないので、無理に金額を試算するより、次のような考え方のほうが実践的です。
- 常温で長く保存できるもの(缶詰・乾麺・調味料の一部)は、値上げ前に買っておける
- 冷凍食品は冷凍庫の容量が上限になるので、「買いだめ」より「よく買うものだけ確認する」方が現実的
- 10月も2,720品目の値上げが判明しており、値上げは9月で終わらず秋にかけて続く見通し
4,531品目をすべて追いかける必要はありません。自分の家庭が毎月買っているものが対象かどうかだけ確認すれば十分です。ここだけ押さえておけば大丈夫です。
あわせて読みたい
2026年8月の値上げは2,311品目|家計を守る5つの対策
今日のまとめ
- 2026年9月の食品値上げは4,531品目で、年内最多。単月4千品目超は2023年10月以来
- 理由は原材料高・物流費・包装資材・中東情勢の4つが重なったこと
- 10月も2,720品目が判明しており、値上げは秋にかけて続く見通し
今日の授業はここまで!次回もお楽しみに。
よくあるご質問
Q. なぜ値上げ品目数は発表のたびに増えるのですか?
この調査は各社が発表した値上げをそのつど積み上げる方式です。まだ発表されていない分は含まれないため、6月末の3,029品目が7月末の集計では4,531品目に増えました。今後さらに増える可能性もあります。
Q. 値上げの理由でいちばん多いのは何ですか?
原材料高が90.9%でもっとも多く、次いで物流費65.8%、包装・資材64.0%、中東情勢27.8%の順です(複数回答のため合計は100%を超えます)。4つのうち中東情勢だけが前回より比率が上がっています。
参考:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日公表分)/関連報道:日本経済新聞


